MSゴシック・明朝v5.0の良いところ2007年03月03日 19:42

マイクロソフトのWebサイトでWindows XP向けにMSゴシックとMS明朝のv.5.0が配布されています。

このフォントの良いところは、U+301C (WAVE DASH)のグリフが普通の波ダッシュと同じ格好になっていることです。以前は、左端から右下に下がって右上に上りまた右下に下がって終わる形でしたが、v.5.0では、左端から右上に上がって右下に下がりまた右上に上がって終わる形に修正されています。別の言い方をすれば、Unicode仕様書のヘンな例示字形に沿った形でなく普通の形になったということです。

あとは、コード変換でJISの波ダッシュをU+FF5E (FULLWIDTH TILDE) に対応づけるWindowsのバグを修正してほしいですね。

Unicode正規化の問題点(1)2007年03月11日 23:55

マイクロな話とオングストローム」の中で「正規化を行えば別ですが」と蛇足のように付け加えたのは私の勘違い、誤りでした。

というのは、Unicodeの正規化では実は、マイクロ記号はギリシャ文字μに正規化されないのでした。オングストローム記号は「上リング付きA」に正規化されるのに、です。

なぜこうなっているのかは不明ですが、邪推するに、ISO/IEC 8859-1を特別扱いしたかったからではないでしょうか。マイクロ記号が正規化でギリシャ文字μに変換されてしまうと、「8859-1 → Unicode → 正規化 → 8859-1」という変換を施したときに元に戻らなくなってしまうのです。それを避けるために、敢えて正規化対象から外したということではないでしょうか。

ちなみにJIS X 0208相当の文字では、上記のオングストローム記号が正規化の影響を受けるために、「JIS → Unicode → 正規化 → JIS」と変換するとJIS X 0208の範囲からはみ出してしまいます。こちらの問題については、Unicodeの人は特別な関心を持たなかったのでしょうね。

こういう一件を見ると、国際的な公平性を確保するのは難しいのだなぁという感想を持ってしまいます。

Meadow + Mule-UCSでJIS20042007年03月18日 16:03

Mule-UCS Unofficial Site で配布されている、EUC-JIS-2004とShift_JIS-2004に対応した版のMule-UCSをMeadowで試してみました。

Meadowでのフォント選択の仕組みがよく分からなかったので、elispを適当に追いかけて、pkginfo/intlfonts/auto-autoloads.elの中のフォント指定を2004年版のフォントにするという強引な技で対処しました。 italicとboldのフォントはないので不完全なのですが、とりあえずいいや、と。

(あるいは、私のMeadowが2.00といういささか古い版であるせいかもしれず、最新版ではもしかすると2004年版のフォントに対応しているのかもしれません。)

設定すると、2004年改正で追加されたUCS互換漢字10文字がちゃんと表示されました。表示テストには、Mule-UCSのEmacs Lispのファイル (ujisx0213.elなど) を使うのがお手軽です。

まぁ実のところこれらの文字はあまり必要性を感じていないのですが、規格にある以上は使われる可能性があるわけです。それに、ちゃんとEUC-JIS-2004やShift_JIS-2004に対応していると言いたいですしね。