JIS X 0213を活用した仕事術2006年08月24日 23:24

最近、「Get Things Done」(GTD) などの仕事術が注目を集めています。この記事をお読みの方にも、自分なりのやり方でITを駆使して仕事のメモを管理している方がいらっしゃることと思います。

私はパソコンで管理するメモに、JIS X 0213で追加された記号類を積極的に利用して、視認性や快適さを向上させています。

利用するツールとしてはEmacsで、以前からShift_JIS-2004で符号化したChangeLog形式で記録をつけていました (ChangeLogによるメモは高林氏の記事などを参照)。ただし、ChangeLog形式だと書いたものがどんどん下へ押し出されていってしまうので、別形式でタスクリスト (GTDでいう「プロジェクト」と「次の行動」を合わせたような、階層付きの箇条書きリスト) を作っています。

プレーンテキストで箇条書きを書くのには、JIS X 0213で追加されたビュレットが役立ちます。中点でも代用できますが、見た目の綺麗さ、視認性ではビュレットが断然優ります。

また、行動した結果などは、右向きの白抜き矢印を使って目立つようにマークしています。普通の矢印はただの文中にも表れることがあるので、より目立つ矢印があるのは視認性の向上に役立ちます。

目立たせるという点では、指マークも役立っています。タスクリストの中で、今まさに注目すべき活動については指マークで指して、ぱっと見たときにすぐ注意が向くようにします。

さらに、書き記したタスクの状況を一目瞭然にするために、4種類の天気マークが使えます。うまくいっているものには晴れマークをつけ、一時凍結中のタスクは雪マークをつけておく、といった具合です。雲行きの怪しいものは曇マーク、ひどい状況のときは雨マークというのも考えられますが、これらはまだ使っていません。

長めの文章をセクション分けするのには、既存の丸や四角だけでなく、蛇の目記号も役立ちます。

こういったバリエーションに富んだJIS X 0213の記号類を使うことで、プレーンテキストのメモは大層見やすく、また楽しくなります。皆さんも、JIS X 0213で仕事を楽しんで下さい。

Unicodeの漢字の不整合2006年08月29日 23:09

Unicodeの漢字といえば、かつては「CJK統合漢字」が槍玉に上がったものです。統合すること自体を問題にする意見から、統合自体は是としながらもそのやり方に疑問を呈する意見まで様々でしたが、それらに確たる答えが提示されないまま、今や別の面からUnicodeの漢字は批判されています。

それは主に、似たような字が重複して入っている、あるいは同じと思われる文字、統合されるはずの文字が紛れ込んでいる、といったことです。

PDFと文字(16) –漢字統合の破綻」では、実例を挙げて疑問を提示しています。ここで挙げている例を見て、あるいは「それは別の字だ」と主張される方があるかも知れませんが、同じなのか違う字なのか、判定する根拠 (JISの包接規準のような) が示されていないことがまさにUnicodeの問題だろうと私は思います。

漢字データベースプロジェクト」では、上記のブログで提示されているような問題点の包括的な調査を行おうとしているようです。このサイトで提供予定となっているデータには、Unicodeの「重複符号化された漢字の一覧」や、「符号としては本来は同一である可能性が高い漢字の一覧」などがあります。これらが公開されれば、Unicodeの実態調査として大変価値の高いものになるでしょう。

もっとも、裏を返せば、このような調査を行わなければならないUnicodeの漢字とはどういうものなのか、ということでもあります。