「レガシーエンコーディング」という用語の政治性2006年09月09日 16:19

Unicode以外の文字コードを指して「レガシーエンコーディング legacy encoding」と呼ぶことがあります。この言葉には、世の中全部をUnicodeにしたいという意図がうかがえます。政治性を帯びた用語であり、あまり好ましくない印象があります。

コンピュータの世界で「レガシー」といえば、メインフレームで構築したシステムを指して「レガシーシステム」と呼ぶことがあります。これはUNIX等のオープン系のシステムと対比させた言葉で、オープン系へ移行されるべきものというニュアンスをただよわせています。

本来レガシーという言葉には否定的な意味合いはない筈なのですが、コンピュータの世界では「過去の遺物」的な使われ方をされることがあるようです。

いわゆる「レガシーシステム」の利用者自身がそれを過去の遺物だと思っているならまだしも、メインフレームの信頼性を気に入っている利用者に「おたくのレガシーシステムをマイグレーション(移行)しましょう」などと売り込みに行けば顰蹙を買うのは当然の話です。無神経なレガシーよばわりには手痛いしっぺ返しが待っていることもあるわけです。

Unicode信奉者の使う「レガシーエンコーディング」なる用語も、Unicodeに移行させたいという非技術的・政治的な思惑から出たものであって、思慮深い大人の使うべき言葉としてはちょっとどうなのかと思うのですがいかがでしょうか。

コメント

_ 安岡孝一 ― 2006年09月18日 22:30

うーん、でも「レガシー」って単語、平均的な日本人だとまずhttp://www.subaru.co.jp/legacy/ が浮かぶ(はずな)ので、そう悪い意味には取られないんじゃないかと…。で、それをさらに逆手に取って「いいっすよね、レガシーな文字コード」なんて自虐ネタに行くわけです。

_ ぴなこ ― 2006年10月30日 11:21

現役の文字コードなのでもっとふさわしい名前が
あるといいなと思っています。
この期に及んで覚悟が足りないかもしれませんが
私はいまだに Unicode が失敗だと思っているのです。

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